連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第9回

#9|学習指導要領と家庭学習 いろいろな考え方認めて

#9|学習指導要領と家庭学習 いろいろな考え方認めて

「『3個ずつお菓子を入れた袋を8人分用意します。お菓子は全部で何個必要ですか』。この問題に小学1年の息子がかけ算を使って答えたら、バツでした。理由は『習っていないから』。おかしいですよね?」

SNSなどで、こうした書き込みを見ることがあります。「先生がおかしい」「子どもの考えを無視している」といった共感の声もたくさん寄せられています。

私なら、子どもにこう言います。「先生は足し算のほうが好きなのかもね。確かに足し算でもできるけれど、かけ算の方が何かカッコいいよねぇ」。これで子どもの不満は収まるし、先生との関係も悪くはなりません。

「自分とは違う多様な考え方を認める」というのがいまの学びのトレンド。子どもの成績を左右する大事な要素です。

例えば「算数は答えが一つだから、スッキリして好き」という人がいますが、一つの解答に行きつく方法はたくさんあります。その多さを「面倒」と切り捨てるのではなく、楽しむ感受性が、学力を上げるのです。

全国学力テストや高校受験の問題は、すでにこの傾向を取り入れています。例えば算数は正誤を答えるだけではなく、なぜそう判断したのか書くよう求められたり、答えの導き方を示した会話文を穴埋めしたりするような内容です。

子どもが柔軟な思考力を育めるかどうかは、身近にいる家族の姿勢が大きく影響します。勉強に限らず、親自身がいろいろな考え方を認め、面白がってください。

教えてくれたひと

本多抽紀江さん

家庭教師

ほんだ・ゆきえ/家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。

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