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2019/09/06
⑥料理で数字体感 単位や分数 楽しみ吸収<ゆきりん先生の親子でおうち勉強>
北海道新聞朝刊「くらし(子育て)面」の連載コラム。筆者は、胆振管内安平町の家庭教師、本多抽紀江さん。毎月第1金曜日に、おうちでの効率的な学習方法をお届けしています。
わが家の日曜日の朝食は、ホットケーキが定番。私は娘(6)と息子(4)を誘ってキッチンに立ちます。いい匂いが家じゅうに漂うこの時間は、子どもたちの「数字感覚」を養うタイミングでもあります。ホットケーキミックスの粉が入った箱や袋には、内容量の重さが書いてありますね。小学3年で学ぶ「g」です。粉に入れる牛乳の単位は「㎖」。こちらは2年で勉強する「かさ」に出てきます。
別の単位でも言い換えてみましょう。例えば「100㎖の牛乳」は「1㎗の」「0.1ℓの」に。覚える必要はありません。慣れるため声に出すのです。
卵1個を混ぜて焼き、出来上がった丸いホットケーキを切り分けるときは、3年で学ぶ分数を使います。「これ、半分こね」と言う代わり「2分の1ね」と声をかけると、子どもは「半分=2分の1」とすぐに覚えます。さらに小さく分けると、4分の1や8分の1のイメージも定着します。
重さやかさ、分数を目で確認しながら手を動かし、じゅうっという音や匂いで焼き時間を計り、最後はおいしく味わう算数。家庭だからできる、五感を使った学習法です。読み書きだけの勉強よりも、知識の吸収が早いことを私自身が実感しています。
来年度から、小中学校の学習指導要領改定案が全面実施されます。改訂前のものから引き継がれるのは、学びで「生きる力」を育てる方針。実はこんなに身近で、簡単なことなんですよ。
イラスト/rocketdesign(watanabe nobuko)
PROFILE
本多 抽紀江(ほんだ・ゆきえ)
家庭教師歴約30年。教材や助言をネット配信する事業「ぱんだちゃんのおうち学校」校長も務める。胆振管内安平町在住、44歳。【ぱんだちゃんのおうち学校】 pandanoniwa.co.jp
BACK NUMBER
<1> 気分を変えよう 「新しさ」演出 前向きに
<2> 作文は一生モノ 運動会題材に学ぶ手も
<3> 数字を見せる お菓子や小銭並べ計算
<4> 夏休みの生活 家事のお手伝いも大事
<5> 受験生の胸のうち 適正な志望校選びを
\北海道新聞朝刊「くらし(子育て)面」で連載中(毎月第1金曜日)/北海道新聞朝刊「くらし(子育て)」面(毎週金曜日に掲載)では、主に乳幼児や小中学生の子を持つ親世代を対象に、育児のちょっとした工夫やサポートに関する情報、行政の支援制度の解説など子育てをめぐる多彩な話題をお届けしています。
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