自由研究、親の関わり方は? 子どもの興味を引き出す会話がカギ

夏休みが始まってから2週間が立ちました。まだ自由研究のテーマを絞れていない子の保護者は、そろそろソワソワしてきたのではないでしょうか。

mamatalkでは小学生の子どもがいる保護者を対象とした自由研究に関するアンケートを実施。4割の保護者が「とても不安」「やや不安」と答えました。不安の理由は「テーマを決めること」が最多で、「自分の力でやり切れるか」「スケジュール管理」が続きました。

2022年7月26日~8月3日にインターネット調査で実施(有効回答数49)

2022年7月26日~8月3日にインターネット調査で実施(有効回答数49)

やっぱり必要 親の手助け

自由研究は計算ドリルや絵日記など何をするかが明確な宿題と異なり、子ども1人では前に進められなくなりがちです。アンケートでは75%の保護者が子どもの自由研究を手伝うと回答。テーマの決め方も子どもに任せるのでなく、親子で話し合う家庭が多いようです。

初めて自由研究に挑戦する家庭へのアドバイスを聞いた設問では、保護者の苦労をうかがわせる意見が多く寄せられました。

・ハードルを上げずに取り組まないと、親も子も毎回の自由研究が憂鬱になります

・なかなかテーマが決まりません ・自由研究が終わったらプレゼントをあげると、物で釣ってしまいました

特にどこまで世話を焼くべきか悩む人が多いようです。

・親がどこまで手を出していいのか、毎回の悩みどころです

・親が手や口を出しすぎると子供の気持ちも萎えてしまいます

・子どもの拙さが目につき、「もっとこうしたら……」「このほうが見栄えが……」と言いそうになります。しかし、それでは”自分でやった”感が減ってしまいます

テーマ選びは会話から まず共感を

教えこみでなく、子どもの創造性を引き出す上手なサポートをできたらいいですね。

子どもの宿題をサポートしてきた札幌市のプロ家庭教師、塩野目浩之さんは「まずは共感」と強調します。

「例えば石が好きな子がいて、いろんな石を集めてきたとしましょう。『すごい!こんなに種類があるんだ』と言ってみてください。子どもは石がどうしてできるか不思議なのかもしれないし、形に面白さを感じたのかも。本当は何をテーマにしたいのか、会話から読み解くのです」

テーマが決まったら、調べ方や作り方を考えさせます。現地での観察や、図書館で調べ学習をするのもよいでしょう。アート系なら道具や材料を検討します。子ども1人で考えられない場合「こんなやり方があるよ」と提案するのも手です。

忙しくても大丈夫!ヒントは日常に

誰もが子どもとじっくり過ごす時間を持てるわけではありません。

仕事で忙しく過ごし、外へ連れ出したり、制作を見守ったりすることが難しい人向けの一例として、塩野目さんは「料理」を勧めます。

「野菜にはいろいろな切り方がありますよね。ニンジンとネギでの切り方の違いは、切り方に名前はついているのか。一緒に料理しながら疑問をや関心を引き出し、本やインターネットで調べてまとめれば立派な自由研究です。自由研究の材料は日常の中にあるんですよ」

自由研究は子どもが一生懸命に取り組めたら、それだけで100点満点です。子どものワクワクに火をつけましょう。

取材・文/生田憲

教えてくれたひと

塩野目弘之さん

プロ家庭教師

東京都板橋区生まれ。家庭教師派遣・個別指導塾運営のアドバンス(札幌)認定プロ講師。担当科目は全教科。5歳から高2まで、幅広い年齢の子供たちの学習をサポートしている。

    この記事に関連するタグ

    Ranking

    • すべて
    • 子育て・教育
    2024
    4/19
    FRI

    Area

    北海道外

    その他