• 〈あそぶ→そだつ〉#15|散歩が育む自然への好奇心


    「あそぶ→そだつ」
    遊びを通した⼦どもの発達について詳しい増⼭由⾹⾥さん(札幌国際⼤准教授)が、さまざまな遊びの意味を解説。北海道新聞朝刊「⼦育て⾯」で毎⽉第3⾦曜⽇に連載しています。


    数年前、外へ出かけると気持ちの良いちょうど今ごろの時期、札幌市内の認定こども園で1歳半から2歳くらいの子どもたちと散歩に出かけました。

    道端でタンポポを見つけると、鼻を近づけてにおいを嗅ぎます。アリやワラジムシなどを見つけると座り込んでその行方を目で追い、自分の足元に近づくと「こわい」と声を出す子もいます。さまざまな自然との出合いに感性を働かせ、ハラハラドキドキしながら散歩を楽しんでいるようです。

    さらに進んでいくと、2歳ぐらいの女の子が突然「ハート! ハート!」と指さしました。大人では見過ごしてしまいそうな、建物の間に生えた、かわいらしいハート形の葉がありました。子どもの観察眼はとても優れています。普段何げなく歩いている道も、子どもと一緒だからこそ見えるものがありそうです。

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    これとは別の機会に、同じ園で、2歳半から3歳くらいのお子さんと歩きました。自分の影が気になって体を動かしてみたり、一緒に歩く友達の影を踏んだりして楽しんでいました。年齢や育ちによっても、子どもの気づきや関心は変化することがわかります。

    戸外に出て自然に触れる経験は、子どもたちに好奇心をもたらし、豊かな感性を育んでくれます。また自然との遊びがきっかけとなり、科学への興味が養われていく例もあります。

    例えば、雨の日に水たまりを囲み、雨でできる波紋をじっと見たり、雨上がりにしずくがのった葉に触ったり、揺らしたりするなど、自然のおもしろさや不思議さに出合ってきた子どもたちは、大きくなるとさらに関心を広げます。

    まずはお子さんと一緒に外へ出かけ、自然の恵みを楽しんでみませんか。

    増山由香里

    増山由香里(札幌国際大准教授=発達心理学)

      1972年生まれ、岩見沢市出身。岩見沢東高から藤女子短大(当時)へ進み、幼稚園教諭、保育士資格を取得。保育現場で勤務後、北大に編入し、北大大学院に進んで修士課程修了。旭川大学短期大学部准教授などを経て2017年から札幌国際大人文学部准教授。保育現場での出合いから、おもちゃや絵本への関心を深めた。編著に「具材―ごっこ遊びを支える道具」(17年、庭プレス)がある

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