冬休み明けの授業に備え スキー「遊び」取り入れ上達
写真はイメージ(YsPhoto / PIXTA) 道内の半数以上の小中学校で行われるスキー授業。多くの学校では冬休み明けから始まりますが、スキー未経験の小学1年生や授業がない学校からの転校生の中には、不安に感じている人も多いのではないでしょうか。北海道学校体育研究連盟事務局長で、札幌市内の小学校教諭対象のスキー研修なども行っている札幌市立山の手南小の嶋本剛校長(56)は「まずは雪を楽しむ感覚が大切」と言います。嶋本校長に、自宅近くの公園などでも手軽にできる練習方法を聞きました。まずは靴に慣れる 「山登り」少しずつ
初心者はまず、スキー靴を履いて雪遊びをしてみましょう。鬼ごっこや尻滑り、そり引き競争を友達と楽しんだり、転んで起き上がったり、歩くのも良いです。一見スキーの上達とは関係ないようですが、「スキー靴の感覚に慣れることが、板の操作には不可欠です」。
次に、平らなところでスキーを履いて遊んでみましょう。片足だけに板を付けて前後左右に1歩ずつ歩く「片足歩き」や、両足に板を付けて、板のつま先側やかかと側の先端を中心にして1周し、雪面に花模様を描く「模様作り」などをしてみましょう。徐々にスキーに慣れながら、エッジを効かせる感覚も養われるといいます。その場でパッと板をハの字に開く「じゃんけん」の動作も、滑る時のブレーキの基本「ハの字」になる練習として効果があります。
最後は公園の坂を利用した「山登り」の練習です。スキーの醍醐味(だいごみ)は滑ること。「子どもは自分で坂を登れるようにさえなればすぐに上達します。小学1、2年生はここまでで十分です」。登る方法は、斜面に対してスキーを真横にして登る「二の字登り」や、斜面の上を向いてスキーをVの字にして登る「Vの字登り」があります。
斜面にエッジを立てるコツをつかむために、「雪を削りながら登ってみよう」などと声掛けをするのも有効です。初心者にとってはわずかな傾斜も登るのは難しいです。「少しずつ『できた』を積み重ねていくことが大切です」
滑る際は、真っすぐ滑ることから始め、姿勢を低くしたり高くしたりと、いろいろな滑り方を試してみましょう。
嶋本校長は保護者に、自身はスキーを履かなくても練習する子どもと一緒に遊ぶことで、「冬休みの親子だんらんの時間にしてほしい」とも語ります。追いかけっこをしたり、ストックを引っ張って滑るスピードをつけたり、小さな雪山の障害物やトンネルを作ったりすることで、子どもの練習の幅も広がります。
スキー授業は、雪国ならではの学習の機会。嶋本校長は「『風を感じて爽快だな』『転んだけど雪がフワフワだな』といった経験を通じ、雪と共生する心を育んでほしい」と期待します。
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不要な用具回収し希望者に 札幌市教委「ニーズ高い」
スキー学習のネックの一つである道具代の保護者負担を減らそうと、札幌市教育委員会(札幌市教委)は、不要になった子ども用スキー用具を市民から回収して希望者に無料で配布する「さっぽろっこスキーリサイクル」を2010年度から実施しています。
中央区のスポーツ店「札幌スポーツ館本店」と市内20の協力小学校で不要用具を回収し、技術者が点検と整備をします。11月に希望者を募って抽選し、12月に手渡しています。
本年度は約3500件の応募に対し、板、ストック、靴の3点セットを約780セット、単品約70点を提供しました。市教委教育課程担当課は「市民の善意で支えられている事業。ニーズも高く、今後も継続できるよう、引き続きご協力をお願いしたい」としています。
道内小中校 6割で授業 札幌市教委によると、本年度は、市立小学校全197校、市立中学校の8割以上でスキー授業が行われる予定。北海道教育委員会(道教委)によると、札幌市を除く道内学校でも、空知、石狩、後志、上川、オホーツクの5管内を中心に、全道の6割の小中学校で行われる予定といいます。
スキー以外では、地域の特性を生かしてスケートやカーリングの授業が行われています。
取材・文/高田かすみ(北海道新聞記者)
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