• 神秘的な「雪虫」を優しく描く、これからの季節にぴったりの絵本 『ゆきのようせい』発売!

    「もうすぐ ふゆが くるよ」 冬の訪れを優しく教えてくれる1冊

    北海道出身の絵本作家・松田奈那子さんの新刊『ゆきのようせい』(岩崎書店)は、主に北海道や東北地方で見られる「雪虫」のおはなし。

    絵本の主人公は1匹のふわふわの雪虫。冬の訪れを告げるため、土の中から外へと出かけますが、森の生き物たちはみな「もう聞いたよ」と答えます。「せっかくきたのに…」と落ち込む雪虫。札幌の街まで飛んでいくと、子どもたちが見つけてくれました。絵本の最後には小さな奇跡が待っていて…。神秘的な雪虫を優しく描く、これからの季節にぴったりの1冊です。

    愛らしい「雪虫」を見て始まる冬支度

    札幌で生まれ育った私にとって「雪虫」は、やっぱり特別なものでした。紅葉の季節が終わりを迎え、一段と寒さが増す秋の終わり、北海道民はどこか憂鬱になるものです。「これから長くて過酷な冬が始まる…」と。でも、ふわふわと雪が舞うように空を飛ぶ小さな雪虫が冬を告げにやってくると、不思議と心が温まって、優しい気持ちで冬への備えを始められる気がします。

    「もりじゅうが すーんと つめたいくうきに つつまれたあさ」

    『ゆきのようせい』は、こんな柔らかな一文から始まります。松田奈那子さんが描く豊かな色遣いの秋の風景が美しく、その景色の中を飛び回る、ふわふわの体の主人公「ゆきむし」はなんとも愛らしく描かれています。うん、そうそう。雪虫って私の中でもこんな風に可愛らしいイメージでした。「こんなにも『かわいい』って思える虫って、雪虫だけかもなぁ」そんな風に思いながら読み進めました。

    南国生まれの息子にも「雪国」の文化が根付いていた

    絵本には、札幌に暮らす人なら誰もが親しみのある風景も描かれています。一緒に読んだ小学2年生の息子も「あ! ここ行ったことあるー」と大喜び。子どもにとって絵本に知っている景色が登場するって、こんなにもうれしいものなんですね。

    そして、絵本の終わりには小さな奇跡が待っています。松田さんが描く景色は魔法のように、まるで自分がその場の空気に包まれるよう…。読み終わって息子が一言。「最後にふわっといい気持ちになる絵本だねぇ」。

    息子は3歳までタイのチェンマイで育ったので、雪虫の存在を知っているのか半信半疑でした。息子に「ねぇねぇ、雪虫って知ってるの?」と尋ねると、真顔で「当たり前じゃん! 大切な存在だよね」との答えが。

    「大切な存在?」

    「だってさ、これから冬が来るよって教えてくれるじゃん。最初の雪虫を見た時は『教えてくれて、ありがとう』って思うよ。」

    「あー、なんか優しい気持ちになるよね。」

    「でも口とか鼻に入ってきた時は『わー、やめてくれー』って思う(笑)」

    「わかるわかる!! 鼻に入るよね。」

    と、こんな会話で親子でひとしきり笑いました。

    さらに「お母さん、雪虫ってアブラムシの仲間だって知ってる?」と、学校で仕入れてきた豆知識も披露してくれました。雪虫の白い部分は「ロウ(蝋)」。つまり「アブラ」。「へ〜、知らなかった!」。息子も今年で札幌に暮らして5年目。彼にもすっかり雪国の「文化」が根付いていることを感じ、うれしい絵本タイムとなりました。

    なが〜い冬を温かい心で迎えるために。ぜひ親子で手に取って

    11月に入り、道内はめっきり冷え込むようになりましたね。息子も毎朝「寒い、寒い」と言いながら通学しています。けれどこの絵本のおかげか、息子も私も「なが〜い冬」を迎える心の準備ができました。「かまくら作りも、雪合戦も楽しみ!」と、初雪の日を心待ちにしています。ぜひ親子でこの絵本を手に取り、神秘的な冬の訪れを追体験してみてください。冬の訪れがきっと楽しみになるはずです。

    ゆきのようせい
    『ゆきのようせい』
    作・絵/松田奈那子 監修/石黒誠
    岩崎書店 1,540円
    ▶︎公式サイト

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    谷岡碧

    谷岡 碧

      2012年にテレビ東京を退社後、タイへ移住してNGOで勤務。17年に帰国後は札幌へ住み、幼なじみと読み聞かせユニット「エネッツ」を結成。21年春から、主婦と生活社の女性向けサイト「CHANTO WEB」でライターとしても活動中。夫と小学2年生の長男、3歳の長女と暮らす。札幌市出身、36歳。

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