成長記録、動画で撮るコツは? YouTubeで活躍する高橋さん、市野さんに聞く

初めての予防接種に泣いて嫌がる息子の姿を映した市野雄太さんのYouTube動画

10月29日はホームビデオ記念日。ビデオ機器メーカーが1969年のこの日、世界初の家庭用VTRの規格を発表したことが由来です。今では気軽にスマートフォンで動画を撮影できる時代になりました。あとで振り返って楽しめる、動画撮影のコツや残しておきたい瞬間について、札幌でYouTubeのチャンネル制作に携わる2人に話を聞きました。

1カットは長くて10秒がちょうどいい

道内のユーチューバー団体「ノースエポック」(札幌)に所属するカメラマンで、1児の母の高橋由美子さん(48)は、「あとで見返すことを意識しながら撮影することが大切です」と話します。

スマホを使うなら横向きで。テレビやパソコンにつないだ時に、縦で撮ると左右に余白ができて見づらいからです。それから、子どもの目線までレンズを下げること。大人の目線だと、頭ばかり大きく映ってしまいます。逆光を避け、日光を背にして撮影するのもポイントです。

高橋由美子さん

高橋由美子さん(本人提供)

だらだらと数分間、撮影してしまいがちですが、あとで見返す時に飽きが来ます。高橋さんは「1カット5~10秒がちょうどいい。あとで編集するにも、便利な長さです」とアドバイス。子どもが動いたら追いかけず、画面を固定し、新たなカットを撮ること。横に移動すると映像がブレるからです。

親も子どもと映像に映り込みたいときはどうするのでしょうか。スマホの場合、専用の三脚や、机などに固定できるクリップも売っています。明るい映像を撮るには、リング状の照明器具「リングライト」を活用するのも手といいます。

高橋さんは「最近では無料のスマホ用動画編集アプリも豊富に出ています。1年の思い出をまとめたり、いろいろ楽しんでみて」と提案しています。

困った瞬間も残してみて

市野雄太さんと息子の絢心君

親子でYouTubeを運営する市野雄太さんと息子の絢心(けんしん)君(本人提供)

5歳の息子と親子でユーチューブチャンネル「ミズナTV」を運営し、チャンネル登録者数1万2千人の市野雄太さん(36)は「幸せな瞬間だけでなく、焦った時や困った時にもカメラを回してみては」と助言しています。

たとえば初めての予防接種で子どもがギャンギャン泣いている時。だだをこねて、ひっくり返って足をドタバタさせている時。「子育ての大変さが伝わり、時間がたつと良い思い出になります」

子どもの「初めて」はぜひ記録に残したいものです。市野さんは息子が初めて寝返りをうつ瞬間を動画におさめるために、4時間つきっきりで撮影したことがあるといいます。「子どもの『初めて』に接した親のリアクションも、1回だけです。とにかく待って待って粘りましょう」

動画はスマホの容量を食うが、市野さんが保存先に勧めるのがユーチューブです。「『非公開』に設定して、家族だけで楽しむこともできます。動画撮影は、親子でいろいろな場所へ出かけるきっかけにもなるので、もっと多くの人に楽しんでほしいです」

子どもの成長記録を動画に残す工夫

ミラーレス一眼でプロ並みの映像も
札幌・ヨドバシカメラ

より質の高い動画撮影をしたいなら、道具にこだわりたいですね。最近のビデオカメラのトレンドを、ヨドバシカメラマルチメディア札幌のカメラ専門チーム、伊藤航平さん(24)に紹介してもらいました。

一般的にスマートフォンに比べビデオカメラは、手ぶれ補正やズーム機能が充実しています。暗い映像も撮影しやすく、バッテリーの持ちも良いです。

伊藤航平さん

写真も動画も撮影できるミラーレス一眼カメラを紹介する伊藤航平さん

人気が根強いのは、3万円台の映像撮影専用のハンディカメラ。ただ、世界的な半導体不足で品薄です。

写真も動画も撮影できるミラーレス一眼カメラはどうでしょう。10万円台からと値は張りますが、高画質の「4K」でピントを合わせやすく、背景をぼかしたプロのような映像が撮れます。

アウトドアを家族で楽しむなら広角レンズを搭載した小型のアクションカメラ(5万~7万円台)がおすすめ。視野の広いライブ感のある映像が魅力です。

取材・文/有田麻子(北海道新聞記者)

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