子どもとの生活を守る、災害への備え

2018年9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震。真夜中に発生した突然の揺れと、それに続く全道的な停電「ブラックアウト」。平常の暮らしがいつ戻るか分からない中、小さな子どもを抱えて不安な時間を過ごした人も多かったはず。地震に限らず自然災害には、台風、大雨、噴火、そして北国ならではの雪害もあります。もしものときのために、普段からできる備えとは? 子どもがいる家庭に必要な備えと子連れ避難について紹介します。

食料と生活必需品の備蓄を

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突然やって来る災害に向けて、日頃から準備をしておくことが大切です。災害が発生すると、電気やガス、水道などのライフラインが止まってしまうことがあります。そのような場合も復旧までの間をできる限り不自由なく過ごすための備えが必要です。 食料や水、生活必需品は最低でも家族の人数×3日分は備蓄しておきましょう。

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こうした非常用の備蓄食料や生活必需品は、最低でも3日分、できれば1週間分は用意しておきたいもの。日頃から買い置きし、日常の中で消費しながら減った分を買い足すことで、知らぬ間に賞味期限が過ぎていたり、消耗や劣化していたりするのを防ぐことができます。このような備蓄方法を「ローリングストック」と呼び、国や自治体でも推奨しています。

子連れ避難であわてないためには…?

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もしも、災害が起きてしまったら・・・。まずは、子どもと自分の身の安全を確保します。地震なら頭を隠したり、家具が倒れないよう固定したりします。洪水ならなるべく早めに避難しましょう。小さな子どもにも日頃から非常時に取るべき行動を「お約束」として話しておくといいですね。

また、災害によって避難しなければならないときは自治体の指示に従い、最寄りの避難所へ。災害は家族一緒の時に起こるとは限りません。日頃から自宅以外にも保育園や幼稚園、職場の近くの避難場所や避難経路を確認しておきましょう。

子連れ避難の場合、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。道庁危機対策課の田口竜也さんに聞きました。

「小さな子どもとの避難所生活は、周囲の迷惑にならないかといった不安があるかもしれませんが、避難所に行くことで食料や生活用品の配給のほか、医療関係者やボランティアの手助けを受けられます。危険な状態で家屋に孤立したり、エコノミークラス症候群や低体温症の恐れがある車中泊をしたりするよりは、遠慮せずに避難所を活用してほしいですね。

また、日頃から近所付き合いをしておくことで、いざという時も助け合うことができて安心です」と田口さん。

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乳幼児用の備蓄品や着替え類をリュックかマザーバッグに詰めておき、寝室など夜間でもわかりやすい場所に置くのもおすすめです。避難にはベビーカーでなく抱っこひもを使用すると身軽に動けます。余裕があれば普段からお気に入りの絵本やおもちゃなどを持って行き、避難所で子どもの気を紛らしてあげましょう。

また、保育園や幼稚園、小学校などが休みになると、共働きの家庭では子どもの預け先にも苦慮します。そんなとき、親戚や近所の人、ママ友など一時的に預かってもらえる場所を探しておくといいですね。もちろん、子連れ出社や時短勤務など職場に理解を求めることも一案です。

冬の災害に備えるべきことは?

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自然災害は季節を問わず起こります。冬の気象条件が厳しい北海道では、冬期間の災害にも特別な備えが必要です。「災害が起きたときでも体と心の健康を保つためには、温かい食事が大切です。まずは、ガスコンロがあれば安心。食事を作るほかにも、お湯を沸かせば冬でもタオルで体を拭くことができます。ガスボンベの在庫も忘れずに。また停電時も使える、灯油ストーブやガスストーブなどを用意するといいですね。冬に限らず、アウトドア用品は災害に役立つものが多いので、普段から使い慣れておくといいのではないでしょうか」と田口さんは冬の防災についてアドバイスしてくれました。

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万が一、災害が起きてしまったときでも家族を守るために、備えあれば憂いなし。日頃から準備し、家族で防災について話す機会を設けましょう。また、備蓄品等の備えは非常時に心強いものですが、危険が迫っているようなときは無理に持ち出さず、家族全員が安全に避難することを最優先してください。

信頼できる情報源も備えのうち

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北海道胆振東部地震の直後、SNSなどを通じてデマが拡散され混乱を招きました。不安をあおる情報に惑わされないためにも、信頼できる情報源を事前に調べておくことが必要です。自治体や電力・ガス・通信などのインフラ会社、気象庁、新聞社やテレビ局などの公式サイトで情報を確認してから行動するようにしたいですね。


取材協力/北海道総務部危機対策局危機対策課防災グループ
取材・文/菅谷環
参考:*ほっかいどうの防災教育「知識編」(発行:北海道)

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