おうち時間 子どもの製品事故に注意
【写真①】ウオーターサーバーでのやけど事故のイメージ写真。サーバーと壁の間に乳児が入り温水タンクを触りました(NITE提供、以下同じ) 新型コロナウイルス禍で子どもが屋内で過ごす時間が増え、製品事故の懸念も高まっているとして、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト)、東京)が注意を促しています。2020年に同機構に報告があった、屋内で0~12歳が死傷した製品事故は19件。前年から7件増え、過去5年間で最多でした。やけどが事故の3割を占めており、同機構は「特にやけどの恐れがある物からは子どもを遠ざけて」と呼びかけています。ウオーターサーバーでやけど/たんす倒れけが
昨年19件過去5年で最多 近づかないよう対策必要同機構によると、20年の屋内での子どもの製品事故のうち、やけどは6件(前年比3件増)、やけど以外は13件(同4件増)。やけどのうち5件は重傷で、原因の製品は空気清浄機と加湿器が2件ずつ、ウオーターサーバーが1件でした。9月には1歳児がウオーターサーバーと壁の間の隙間に入り込み、手で温水タンクに触れて軽傷を負いました=写真①=。
やけど以外では ▽生後5カ月の赤ちゃんがベッドの落下防止柵とマットレスの間に転落し死亡 ▽幼児がクローゼットの扉に右手の指をはさんで重傷―といった事故がありました。
16~20年の5年間で見ると、屋内での子どもの製品事故は計81件。やけどは30件で重傷17件、軽傷13件で、0歳や1歳が被害にあう例が多かったです。やけどを起こした製品はウオーターサーバーが11件と最も多く、スチーム式加湿機能付き空気清浄機が5件、加湿器が3件と続きます。スマートフォンやタブレット端末も1件ずつありました。
ウオーターサーバーの事故は5年間で重傷4件、軽傷7件。乳児が温水レバーに触れたところ何らかの原因でチャイルドロック機能が働かず、熱湯が出てやけどした例が多く、18年には道内の生後10カ月の赤ちゃんが同様の事故で重傷を負いました。空気清浄機の事故は乳児がつかまり立ちなどで蒸気口に手を触れたもので、全5件とも重傷。加湿器は乳児が倒してお湯がこぼれるなどで、全3件とも重傷でした。
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同機構の広報担当は「子どもは手が届くものにすぐ触ろうとします。ベビーゲートなどの柵も活用し、乳幼児がウオーターサーバーや空気清浄機に近づかないようにしてください。電気ポットや電気ケトルは転倒してもお湯がこぼれにくい製品があるので、使用を検討してみてはいかがでしょう」と助言します。
化学やけどにも注意したいところです。16年には水族館の水槽を模した玩具から液体が漏れ、1歳児と母親が軽傷。スマホ用ケースのうち、透明なケースの中でキラキラと光る飾りが動く「グリッターケース」の液体は、漏れ出すとやけどを起こす場合があります。それらの液体が皮膚についたら、流水で十分に洗い流す必要があります。
同機構によると、アルカリ乾電池の液漏れや、玩具から外れたコイン形リチウム電池の誤飲でも、乳幼児が化学やけどを起こした例があります。「コイン形電池は、乳幼児が手で開けられないパッケージの製品を選ぶと、事故の可能性を減らせます」(広報担当)といいます。
コイン形リチウム電池を誤飲した子どものレントゲン写真 16~20年の5年間で、やけど以外の事故は▽5歳児がドラム式洗濯乾燥機の中に入り、ドアが開かなくなって窒息死。チャイルドロックの設定はされなかった(18年)▽2歳児がたんすの引き出しを無理な姿勢で開けたところ、たんす全体が倒れて軽傷。たんすには転倒防止措置なし(16年)―などがありました。
たんすが倒れた事故のイメージ写真。乳児が不安定なやり方で引き出しを開けたとみられます 取材・文/町田誠(北海道新聞編集委員)
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