• 子どもの付き添い入院 コロナ下で| 病院での「生活」もっと知って 読者から反響

    連載に寄せられたメールには、さまざまな経験や思いがつづられていた(写真の一部を加工しています)
    子どもが入院する際、保護者が一緒に病室に泊まり込んで看病する付き添い入院の現状や課題について考えた連載「子どもの付き添い入院―コロナ下で」に対し、読者から電子メールを中心に50件近い意見や感想をいただきました。付き添い入院は「精神的にも肉体的にもつらかった」という自身の体験談のほか、病棟保育士の増員、付き添い者への支援の拡充などを求める声も多く寄せられました。内容の一部を紹介します。

    付き添い「過酷さに衝撃受けた」「知らなかった」

    道内の小児病棟のある病院のほとんどが、付き添いを原則としています。連載では、食事やベッド、入浴といった生活環境が十分に整っていない過酷な付き添い入院の実情を記事にしました。

    読者からは「過酷さに衝撃を受けた」「知らなかった」などの感想が寄せられました。付き添い経験者からは「取り上げてくれて、ありがたかった」「病院で『生活する』人がいることを、もっと知ってほしい」といった声が多かったです。

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    妊娠中の付き添い入院で早産に

    「食事の提供があったら、どんなに楽だったか」。メールで体験談を寄せた札幌市豊平区の岩本紗綾花(さやか)さん(26)は電話で、こう話しました。

    岩本さんは昨年、臨月の時に付き添い入院をしました。子どもは当時1歳で目が離せず、食事を買いに行くのもままならない状況でした。「ママのご飯ないの?」と自分の分の食事を差し出してくれたこともあったそうです。「一緒に食事ができず、寂しそうだった」。大きなおなかでの添い寝はつらく、結局、退院日に破水。下の子は予定より1カ月早く生まれ、しばらくNICUに入院したといいます。

    食事に関しては同様の意見が複数寄せられました。札幌市の女性(46)は8年前、0歳の娘のぜんそくで、1年半の間に計11回の入院に付き添いました。母乳を与えていたため「お金を払うから、栄養バランスの良い病院食を」と懇願したけれど、断られたといいます。「母乳をあげている母親の食事くらいは病院で対応できないものか」と疑問を投げかけます。

    「子どもが小さいと24時間片時も目が離せないので、つらかった」。札幌市の女性(34)は、こうメールで自身の体験談を寄せました。これまで子ども(6)の喘息で2歳の時から計5回の付き添い入院をしました。「医療者は忙しそうで頼める雰囲気ではなかった。せめて希望すれば食事の買い出しやシャワー、トイレの時間だけでも子どもを預けることができれば助かるのに」といいます。

    札幌市の女性(56)は11年前、当時14歳の知的障害のある娘が入院する際、「中学生なのに、親の付き添いを当然のように医師に言われた」といいます。当時は「障害があるので仕方がない、初の入院で心配」との思いから付き添ったといいいます。ただ、付き添い者の入浴設備はなく「入浴は自宅か銭湯でと言われ、24時間付き添いを求めるのになぜ?とモヤモヤした」。そして「子の付き添い入院は小児だけの問題ではありません。障害児者もです」と、思いをメールにつづりました。

    コロナ下で増す負担

    コロナ下で付き添い入院の負担は増していました。江別市の長谷川弘子さん(52)は、外科手術のために昨年入院した次男(10)の記録をメールで送ってくれました。

    入院先の札幌市内の病院は感染予防として、大部屋での付き添い、親を含む全ての面会を禁止にしていたため、個室で1カ月以上付き添いました。ただ、付き添い者も院外に出ないよう求められ、「軟禁の状態でつらかった」と振り返りました。

    出費もかさんだといいます。個室の追加料金に1日1万円(保険適用外)かかり、部屋代だけで36万円超。自身の飲食代やコインランドリー代など「身の回りのこと一つ一つにお金がかかり、経済的負担は大きかった」。1日400円のレンタルベッドは利用せず、硬い病室の床で寝袋を敷いて眠ったといいます。

    子どもが長期入院の場合、職を辞して付き添う家族は少なくありません。4年前に付き添い入院をした札幌市の自営業の女性(36)は「患者用のWi-Fi環境が整備された病院は少ない。テレワークが普及した今、ネット環境の改善で、仕事を続けられる人も多くなるのでは」と提案しました。

    きょうだいへのケアも課題

    入院していないきょうだいへのケアを求める声もありました。十勝管内の女性(67)は今夏、都内に住む孫娘(7)を道内の自宅で2週間預かりました。弟(3)の手術のため、両親は仕事や付き添いで付きっきりとなり、孫娘の預かり先に困ったためです。女性は「子どもの入院は家族全体に影響する。残されたきょうだいへの支援も必要だと思う」と話しました。

    札幌市北区の40代女性は「付き添い入院の環境は12年前と全く変わっていないことに驚いた」とメールで感想を寄せました。子どもが0歳の時に4回の付き添い入院をしたといいます。病棟保育士のいない病院だったため、食事やシャワーは子どもが寝ている隙に急いで済ませたそうです。「医療スタッフは常に忙しそうで、短時間の預かりでも頼みにくかった。保育士など付き添い者のケアも担える人材を多く配置するなどして付き添い環境の改善を」と訴えました。

    医療者からも意見が寄せられました。道央の小児病棟で働く看護師の女性(28)は「付き添う保護者の大変さは見ていてもわかりますが、日々の仕事に忙殺され、なかなか手が回らない」と実情を語りました。道央の小児科医(46)は「子どもの成長には親の存在は不可欠で、それは病院であっても変わりません。その考えに基づき、付き添い者の支援まで含めた新しい制度が必要だと思います」としました。

    取材・文/根岸寛子(北海道新聞記者)

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