• コロナ禍、ふんばる子ども食堂 オンライン公開講座で活動報告

    食材の無料配布の準備をする旭川おとな食堂のメンバー=20年4月26日、旭川市・菊枝山慶誠寺境内(旭川おとな食堂提供)
    子どもたちに無料または安価で食事を提供する「子ども食堂」。道内各地の運営者はコロナ禍にさまざまな対応をしています。3月6日に藤女子大で開かれたオンライン公開講座では、子ども食堂にかかわる5人が運営の現状や課題を報告しました。その内容を紹介します。(編集委員 町田誠)

    月1回開催でも効果大

    ◎こども食堂北海道ネットワーク事務局(札幌) 二本松一将さん

    貧困家庭は経済的な貧しさに加え、人間関係も乏しく孤立しています。そこで育つ子は自分が困難な状況にいると理解できません。子ども食堂は地域の人が関わる中で、子どもが出す困りごとの小さなサインを発見できます。道内には190カ所前後あるとされます。

    コロナ禍で人が集まれず弁当配布にした子ども食堂が多かったですが、家族の分も作るよう求められ、弁当を作る高齢のボランティアへの負担が増したとの悩みを聞きました。

    貧困の解決は行政の役割です。子ども食堂は家族と社会の中間で子どもを支援し、孤立を防げます。月1回の開催でも効果は大きいです。

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    手紙添えて孤立防ぐ

    ◎「旭川おとな食堂」代表 岡本千晴さん

    旭川おとな食堂は旭川と近郊の子ども食堂12カ所や学習支援グループなど計19団体の連携組織で、2016年にできました。子ども食堂に必要な物資を共有し、子ども食堂の勉強会も開いています。

    コロナが拡大した昨年3、4月に計3回、80~100人分の食材を希望者に無料配布し、孤立せず外部とつながれるよう手紙やはがきを添えました。5月には弁当を100個作り、子どもには無料で配りました。これを機に各子ども食堂が弁当や食材を配る流れになりました。

    子ども食堂を応援または利用したいけれどインターネットを使わない人もいるので、幅広い情報発信が課題です。

    空き家借り感染対策

    ◎NPO法人「木と風の香り」(苫小牧)代表理事 辻川恵美さん

    2016年から苫小牧で子ども食堂を開いています。一斉休校になった昨年2月下旬、子どもたちの助けになればとパンやせんべいを袋に入れて食堂の宅配箱に毎日置き、持ち帰れるようにしまた。当初20人だった利用者は数日で約80人に増えました。

    周囲や子ども食堂のスタッフの一部から「感染者が出たらどうするの」と反対されましたが、「食事に困っている子もいる。何とか続けさせて」と頭を下げて頼みました。

    栄養補給が給食頼みの児童も多く、学校再開後は長期休み中の食堂開催を従来の週1回から毎日に増やしました。遊びが必要な子は屋外に連れ出し、大人と追いかけっこやヨガ体験をしました。

    冬に入居していた町内会館が飲食イベント自粛となり、民間の助成金で空き家を借りて12月から、子どもが自由に使える家として活用しています。多くの子が通えるよう、もっと子ども食堂が増えてほしいです。

    共働きからも支援依頼

    ◎NPO法人「フードバンクイコロさっぽろ」理事長 片岡有喜子さん

    企業や農家から毎月平均2トンの食品の寄贈を受け、現在は月平均100世帯と子ども食堂4カ所を含む28事業所に無料で渡しています。コロナ前は学校の長期休みを除き月平均10世帯と24事業所だったので、世帯向けが増えています。

    昨年4、5月は食品の配布依頼が非常に多く、6~8月には落ち着きました。ただ今年になって依頼が増えており、共働き世帯からも目立ちます。企業の業績悪化のあおりが広がっていないか心配です。

    料理教室や「食育」計画

    ◎藤女子大人間生活学部准教授 隈元晴子さん

    当校の学生はNPO法人カコタムと一緒に月6回、札幌市北区で困難を抱えた子どもの学習を支援し、食事も提供しています。コロナの影響で昨年2月から学生の活動は休止しています。

    コロナ拡大前、学生は子どもたちから「親が調理する姿を見たことがない」との声を聞き、いろいろなカレーを一緒に作って食べ比べたり、魚をおろす体験会を開いたりしました。大学では勉強できない、人間形成にとっての食の役割を学べました。4月以降は料理教室や食育便りの配布を行いたいです。

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