• 初の集団生活 心配しすぎないで  間もなく入園シーズン

    子育てサロンで遊び、玩具を順番に使うことを自然に学ぶ子どもたち。感染予防のための利用制限で、この日の利用は2組だった=札幌市豊平区「べりぃタイム」
    間もなく入園シーズン。例年、親と離れたくなくて泣きながら登園する子の姿が見られます。この1年、新型コロナウイルスの影響により、子育てサロンの活動縮小や外出自粛で、乳幼児同士が触れ合う機会が少なくなりました。そのため子どもが集団生活になじめないのでは…と不安を感じる保護者も少なくありません。入園に備え、スムーズに「親離れ」「子離れ」をするにはどうしたらいいのかを探りました。

    コロナでふれ合う機会減も 子どもは環境に早く適応

    「お友達が来た」。3月初旬、札幌市豊平区の子育てサロン「べりぃタイム」で遊んでいた田村美詞ちゃん(2)が、1歳の女の子の到着を拍手で喜びました。「べりぃタイム」は、コロナ流行前は連日、10組を超す親子でにぎわいましたが、今は上限が3組に。この日訪れたのは2組でした。

    美詞ちゃんの母で教員の允美=よしみ=さん(30)は「ほかの子と遊んだ経験が少なく、保育園になじめるだろうか」と心配します。育児休暇中の職場に4月に復帰する予定でしたが、保育時間を徐々に延ばす「ならし保育」ができる保育園を見つけられず、育休を延長しました。「急に8時間預けて、娘が大丈夫か自信がない」

    子育て支援の11団体でつくるNPO法人北海道子育て支援ワーカーズ(札幌)によると、加盟団体が運営する各子育てサロンで1月以降、入園前の親子の新規利用が増えています。子どもを集団生活に慣れさせたいと考える親が大半だそうです。

    代表理事の豊田直美さん(63)は「幼児はほかの子から食事の仕方や遊び方、コミュニケーションを学びます。感染予防に配慮しつつ、入園前から、できるだけほかの子と接する機会を持った方が、スムーズに集団生活になじめます」と話します。

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    旭川市の山本静香さん(31)は、4月に長女(3)が幼稚園に入園します。この1年、外出を控えてきましたが、市内の幼稚園に親子で遊びに行ける「園開放」を利用し、親子で月に1園ずつ巡りました。「私も娘も心の準備ができ、園選びにも役立った」と、〝後輩ママ〟たちにも勧めています。

    「子離れ」の準備をする母親もいます。札幌市に住む教員の豊田優梨花さん(32)は、1月から週1度、1歳3カ月の長女を夫に預け外出しています。長女が2歳になったら育休中の職場に復帰するつもりでしたが、「娘が気になり仕事が手につかないのでは」と不安を感じています。外出は、長女と離れた時間を持つ練習です。

    北海道私立幼稚園協会会長の川畠教孝さん(76)は「コロナ禍で入園する子は集団生活になじむのに例年より時間がかかるかもしれませんが、子どもは環境に慣れるのが早いです。保護者は心配しすぎないで」と言います。

    川畠さんは、スムーズな入園のためには子どもに①幼稚園や保育園は「友達ができて楽しい」など前向きな情報を与える②入園までに「これをできるようにして」などプレッシャーは与えない③入園までに、園まで親子で散歩するなど通園の雰囲気に慣れさせておくことを勧めています。

    親は笑顔で送り出そう 道医療大 三国教授に聞く

    親子のかかわり方や育児支援に詳しい北海道医療大教授の三国久美さん(60)=母子看護学=に聞きました。

    子どもにとって、保育園や幼稚園に行くのは悲しいことではありません。家ではできない楽しい遊びや行事が待っています。親は、園に迎えに行った時は、「ごめんね」などと謝らず、「今日は、何をしたの?」と、楽しかった出来事を聞きましょう。すると子どもは園生活を前向きに楽しむようになります。

    子育て中は、子どもと離れる時間も持つのも、特に母親には大切です。

    子どもが生後4~42カ月の間に父母が抱える育児ストレスの推移を調べたところ、母親のストレスは常に父親より高く、子どもが生後42カ月になるまで上昇し続けていました。子どもが入園し、一時的に離れることでストレスは軽減され、子どもをよりいとしく感じるはずです。

    親は、子どもの入園に罪悪感を持たず、笑顔で送り出しましょう。それが上手な「親離れ」「子離れ」のこつです。(佐竹直子)

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