認可保育園への4月入園の可否を決める「利用調整」って?

(写真はイメージ=PIXTA)

認可保育園や認定こども園の保育所部門への4月入園を前に、市町村による保育施設利用調整が進んでいます。札幌市などは既に、1次調整結果を子どものいる家庭へ郵送で通知しています。希望した施設への入園にめどがついた親子がいる一方で、2次調整へ回るケースも少なくありません。2次調整について調べてみました。

「1次調整」入園かなわなければ、希望先変更も

「希望していた園に通えます」。札幌市内に住む自営業の女性Aさん(38)は26日、札幌市から届いた調整結果通知の内容に喜びました。1歳の長男を預けることで、安心して働けるといううれしさの一方で、入園が認められなかった昨年の苦労を振り返って、「希望がかなわなかった人の不安が分かる」とも話しています。

認可保育所や認定こども園保育所部門へ子どもを通わせるには、市町村の利用調整を経なければならなりません。住宅地や職場に近い、交通の便が良いなど、保護者から見て好条件の施設に集中することを防ぎ、適切な保育環境を維持する―などが、利用調整を行う理由です。

小学校入学を控えた子どもが卒園した直後の4月入園は、年間を通して認可保育園の入園枠が最も広がります。しかし、入園希望者も多くなり、好条件な施設は必然的に倍率が上がるため、1次調整で希望していた複数の施設すべての入園が認められないことが少なくありません。入園を認められなかった子どもの多くが、2次調整へ回ることになります。

市町村で異なる仕組み/申請の期限日に注意を

2次調整の仕組みも1次と同じように市町村で異なります。札幌市の場合は、1次調整で希望がかなえられなければ、転勤や出産・復職時期などの事情により1次調整で申請ができなかった人とともに、2次調整へ自動的に組み込まれます。希望先の変更もこの時点で行うことになりますが、担当者は「1次調整で入園が認められなかった施設でも、その後の保育士補充などで受け入れ枠が生じる可能性もある」と話す。

旭川市も1次調整で希望先への入園が認められなかった時には、自動的に2次調整に回ります。ただ、1次調整の結果送付(2月3日発送)と2次調整の申請締め切り(5日)が接近しているため、2次調整に回った保護者は希望先の変更が12日まで可能です。

函館市は1次調整期間の2月中に、市と保護者が条件を詰めることにより調整を進めています。このため3月1日の調整結果通知の前に、事実上の結論を保護者が把握していることになります。2次調整は行いません。

帯広市は2次調整でも希望先への入園がかなわないケースについて、さらに3次調整を行う体制をとっています。

北見市は1次調整申請に間に合わなかったケースについてのみ2次調整を行っています。1次調整で施設が決まらなければ、定員に空きがある施設の情報などを保護者に提供して、実質的な調整が行われることになります。

どの市町村においても、複数の調整を経て最終的に希望先への入園が認められなければ、5月以降の調整に回るか、幼稚園などで行っている「一時預かり」や、認可外施設の利用が選択肢として挙がることになります。各自治体担当者は「個別の施設を紹介することはできないが、他にどのような手だてがあるか紹介している」と説明しています。

取材・文/弓場敬夫(北海道新聞くらし報道部 編集委員)

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