• コロナ感染、保護者から保育施設へ連絡を

    写真はイメージ(PIXTA)
    今冬、新型コロナウイルス感染が拡大したことに伴って、道内の一部保育施設で園児や保育士らが感染しクラスター(感染者集団)が発生しています。保護者の中には感染に関する情報がきちんと伝えられるのか心配する声もあります。感染や濃厚接触が判明した際の連絡体制や、施設の課題や関係者の思いに迫りました。

    個人情報、保健所から直接通知行われず

    「通園する保育所とは別の保育所で、園児の感染が確認されたという話を聞いたが、何ら公式発表はない。通園先で感染者が出た時にきちんと伝えてくれるだろうか」。札幌市西区内の認可保育所へ5歳の子どもが通っている会社員男性(41)はけげんな表情です。

    道内では11月以降、札幌の認可外保育施設で合計10人を超える感染者が出てクラスターと認定されたほか、帯広の市立保育所、札幌の認可保育3施設でもクラスターが発生しました。また、苫小牧市の私立認可保育所では感染者数が30人を超えました。いずれも保育を休止し、終息を待って再開されています。

    このほかにも、クラスターと認定されていない少人数の感染が道内各地の保育施設で確認されています。札幌市子育て支援部施設運営課では「感染状況はすべて把握しているが、個別の施設名などは公表していない」としつつ、「園児や職員のウイルス感染や感染者との濃厚接触があった場合は、施設から保護者らに情報が伝えられる」と補足しています。

    園児や同居の家族などが感染または濃厚接触したことが分かったとしても、個人情報であるため、原則的には保健所から直接、保育施設や市町村へ伝えられることはありません。このため、保健所などから情報を受けた保護者が施設側へ連絡することが、感染拡大防止の第一歩となります。

    感染情報の流れ

    旭川市こども育成課では「保健所から当該保護者に対し、保育施設へ連絡を促すよう伝えてもらうようにしている」と話しています。また、「保育施設に対しては明確な理由がない状況で、登園拒否をするようなことがないように求めている」と説明しています。

    医療機関や福祉施設での大規模クラスターが発生した旭川市だけに、子どものいる医療従事者らが求める保育が継続されることに気を使っていて、保育施設に対しては、保護者に子どもの登園を控える要請を行うための指標となる問答例を記した文書も配布しています。

    要請の基準例

    保育施設の対策限界も「できる限り努力」

    一方、保育施設側の感染防止策は、乳幼児が対象だけに限定的です。札幌市私立保育園連盟の菊地秀一会長(三和新琴似保育園園長)は「保護者に登・降園の際、マスク着用を求めたり、手指消毒の徹底など、現状の対策は春から続けているもの。園内で園児にマスクを着用させたりするのは現実的ではない」と話しています。

    旭川民間保育所相互育成会の宮崎啓(さとし)理事長(旭川あかしあ認定こども園園長)も「換気にしても、寒さが厳しい冬季は限度がある」と指摘しています。しかし「医療を支えることにもつながっているだけに、完璧とは言えないまでもできる限り努力していく必要がある」と訴えています。

    取材・文/弓場敬夫(北海道新聞編集委員)

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