Baby&Kid's
  • こどもの目疲れ ご用心 コロナで外出減 スマホやタブレット端末の利用増 札幌の眼科医・長内さんに聞く

    スマホやタブレットについて「正しい姿勢で使い、長時間は避けよう」と呼びかける長内一さん
    新型コロナウイルスの感染が広がり、小中高生が外出せずに家にいる時間が増えている。スマートフォンやタブレット端末を使う時間も長くなっており、目の「オンライン疲れ」が心配となる。学校の眼科健診もしている札幌市中央区の「西11丁目駅前おさない眼科」の長内一(はじめ)院長は「スマホなどの画面は目から離し、長時間使い続けないで」と呼び掛ける。(水野富仁)

    長時間見ると近視の恐れ 画面から25センチは離して

    子どもの視力が、新型コロナ感染の拡大前より悪くなったと思う親は4人に1人―。目薬などをつくる「ロート製薬」(大阪市)がこんな調査結果をまとめた。

    全国の母親へ10月に調査をし、子どもの目について1月と比べて答えてもらった。小学生以上の子がいる352人からの答えで、子どもの視力が悪くなったと診断を受けた人や、そう感じる人は、合わせて24.4%=グラフ《1》=だった。

    また、子どもがスマホなどのデジタル機器に触れる時間が1日当たり1時間以上増えたという親は、6割を超えた=グラフ《2》=。外出が減って、オンライン動画を見る時間やゲームをする時間が増えたことなどが理由だ。

    視力が1.0未満の子どもは、もともと増えてきている=グラフ《3》=。最近はスマホやタブレットを使う人が多くなり、いっそう視力が低下しやすい環境になっている。長内さんは「近くの画面を長く見続けると、遠くが見えにくくなる『近視』が進む」と指摘する。

    近視は軽くみられがちだが、長内さんは「視神経が傷む緑内障、光を感じる膜が目の中で剥がれる網膜剥離など、失明の危険もある病気にかかりやすくなる。早めに対策を」と呼びかける。

    また、ゲームや動画に集中すると、まばたきが減って涙が不足しやすくなる。「目が乾き、疲れたり、かすんだりする『ドライアイ』にも気を付けて」と長内さん。遠くを見てもすぐにはピントが合わず、ぼやけてしまう「調節異常」や、目が内側に寄る「内斜視」も、スマホなどの長時間利用で起こりやすくなると言う。注意しよう。

    目の健康を守るため、何に気を付けたら良いのだろうか。

    長内さんは「画面は目から25センチ以上離し、30分から1時間に1回は、休憩してほしい。明るいところで、正しい姿勢で使うことも心掛けて」とアドバイスする。コンタクトレンズはドライアイを悪化させる可能性があるので、できる限り使わないことを勧める。スマホなどを使う合間に、5メートル以上遠くのものを見ると目のリフレッシュになると言う。試してみよう。

    新型コロナへの感染を恐れ、自分の体調が悪くても病院に行くのを控える人が少なくない。長内さんは「症状が悪化してからでは治療が難しくなったり、時間がかかったりする。『ものが2重に見える』など異変を感じたら、ためらわず眼科医に相談してほしい」と話している。

    学校現場は端末利用拡大へ

    学校では、児童や生徒にタブレット端末が貸し出されたり、電子黒板が導入されたりと、デジタル化が進む。新型コロナウイルスの感染拡大で、国はタブレットなどを使う機会をさらに増やす方針だ。タブレットは手元で動画を見られるなど便利な一方で、紙の教科書と比べると、目の負担は増すとも指摘されている。

    新型コロナによる一斉休校中、家庭や学校、地域によって、オンライン授業の環境に違いがあることが全国で問題となった。

    その反省から、文部科学省は、全国の小中学生全員にデジタル端末を1台ずつ行き渡らせる時期を、当初予定していた2023年度から「20年度中」へと早めた。道内でも全179市町村で20年度中に配り終える予定だ。

    文科省が普及を目指すデジタル教科書。紙と比べて目の負担は増すと指摘されている

    学校ではタブレットなどの「デジタル教科書」を紙の教科書の代わりに使う場合、各教科で「授業時間の半分未満まで」という制限がある。これについても文科省は制限を緩め、普及を図る方針だ。

    これに対し、長内一院長は「デジタル教科書が広がれば、子どもたちの近視がさらに進む恐れがある。目の健康への影響を考慮し、慎重に議論してほしい」と訴えている。