コロナ禍 ようやくランドセル商戦 少人数で来店 ネット利用も

ランドセルを選ぶ親子連れ=2日、イオン札幌桑園

ランドセルを選ぶ親子連れ=2日、イオン札幌桑園

近年はゴールデンウイーク(GW)に最初のピークを迎えていたランドセル商戦。今年は新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で、7月になってようやく本格化してきました。ただ、売り場は親子連れの姿が見られるものの、感染リスクを避けて少人数で来店する客が目立ちます。また、インターネットでの購入が増えるなど商戦に変化も表れています。

イオン北海道の道内主要店舗では例年、GWとお盆に販売のピークを迎えますが、今年は5月まで売れ行きが鈍かったようです。緊急事態宣言の解除後、徐々に回復し、7月は逆に前年を大幅に上回りました。イオン札幌桑園店の山口裕子・キッズ主任は「今年は『このメーカーのこの商品が欲しい』と下調べをして来る人が目立つ。外出自粛中に(会員制交流サイトなどで情報交換をする)“ラン活”にしっかり取り組めたのでは」。ネット注文も伸び「親子で来店して商品を決めた後、祖父母がネットで購入するケースがみられる」と話します。

アリオ札幌店では、例年みられるような祖父母を含めた3世代ではなく、父母どちらかと子どもでの来店が増えています。同店は「親がスマホで写真を撮って(留守番や遠方の)家族、親族に送り、電話で相談する姿が目立つ」といいます。
ランドセル工業会(東京)が今春入学した児童の保護者を対象に行った調査では、ランドセルを選んだ理由(複数回答)として、半数近くが「子どもの好きな色」と回答。デザインや背負いやすさ、丈夫さ、軽さを重視する回答も目立ちました。

ランドセルを選んだ理由

代金の支払いは「親」「父方の祖父母」「母方の祖父母」がそれぞれ3割程度。平均購入価格は約5万3600円で、前年より約1300円上昇しました。色は、男の子は黒が7割で圧倒的に多いですが、女の子は赤のほか紫系、ピンク、水色などに人気が分散しています。

札幌市中央区のパート従業員の女性(36)は8月上旬、6歳の長女向けに3万円台の薄紫色のランドセルを購入しました。「子どもの好みを尊重した。6年間使いやすい色だと思うし、軽くて値段も手頃なのがいい」と話します。

購入したランドセルの色

近年、児童の背負うランドセルの重さが問題になっています。イオングループは今年、肩ベルトの長さを38段階に調節できるアジャスター装置付きランドセルを導入しました。「背中との間に隙間ができにくく、疲労軽減につながる」と広報担当者。アリオ札幌店では、雨の日などに車のライトが当たると反射材が光るランドセルが売れ筋だといいます。

ランドセル工業会は、保護者がランドセルを選ぶ際、子どもが実際に背負って納得し、体にフィットするものを薦める。「留め金を外すのにコツがいるものもある。その場で子どもに扱わせてみることも忘れずに」と助言しています。

取材・文/酒谷信子(北海道新聞記者)

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