• 2020/07/17

    ベランダ遊び 転落の危険も 道内外で相次ぎ事故 夏場に多発

     新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための“巣ごもり”生活では、ベランダを活用して子どもを楽しませるための工夫が会員制交流サイト(SNS)などで提案され、ベランダ遊びやランチを実践した家族もいるはず。ただ、ベランダは子どもたちにとって危険な場所でもあり、6月には道内外で転落事故も相次いで起きています。子どもから目を離さず、足場となる物を置かないなどの注意が必要です。(酒谷信子)

     消費者庁のまとめによると、ベランダや窓から転落して亡くなった14歳以下の子どもは、2010~14年の5年間で92人=グラフ=。3歳以上が多く、季節は夏季(6~8月)が30人(32.6%)と最も多くなっています。

     今年6月、いずれもマンションで、ベランダから転落したとみられる子どもの事故が相次ぎました。8日に福岡県久留米市で4歳女児、16日に横浜市で5歳女児、27日に神奈川県山北町で4歳女児が死亡。道内でも15日、札幌市厚別区のマンションから5歳男児が転落し、重体となりました。厚別署によると、ベランダには足場になる物はなく、男の子は高さ120センチのコンクリート壁をよじ登って転落したとみられるといいます。

     ベランダの手すりの高さは、安全のため建築基準法施行令で110センチ以上と定められています。しかし、産業技術総合研究所人工知能研究センター(東京)が17年に2歳、4歳、6歳の子ども約20人を対象に行った実験では、足をかける場所の有無にかかわらず、4歳児は半数以上、6歳児はほぼ全員が手すりを乗り越えることができました。ただ、手をかけるポールが10センチ手前に設置されていた場合は、乗り越える割合は減少したといいます。

     4歳児の平均身長は100センチ前後で、手すりの高さより低いですが「手を伸ばしたりつま先立ちをすれば、上に手が届く。手をかけられさえすれば、子どもは自分の身長より高くてもよじ登ることが可能です」と同研究所の北村光司主任研究員。

    足場置かない/子どもの行動把握を

     幼児は手すりをよじ登ったり、好奇心から柵の向こうの景色を見たがることがあります。ベランダや窓からの転落事故を防ぐために、消費者庁は《1》子どもの行動や居場所を把握する《2》窓の近くやベランダに足がかりとなる物を置かない《3》手すりや網戸に劣化がないかを確認する《4》理解できる年齢の子には、転落の危険性をわかりやすく伝える―などを呼びかけています。

     北村主任研究員はまた、子どもの手が届きにくいよう、ベランダや窓の上の方に補助錠を取り付けたり、「手すりが足をかけやすい形状の場合は、アクリル板を張り付ける方法もある」とアドバイスしています。


    トップ画像説明/高さ110センチの手すりをよじ登る実験では、4歳児の半数以上が乗り越えることができた=産業技術総合研究所提供(画像の一部を加工しています)