• きょうだいへの接し方公平に 「上と下」役割外し向き合って 一人ずつと話す時間を

    複数の子どもを育てていると、にぎやかで楽しみが多い一方、ケンカやトラブルが付きもの。「公平に育てたいが、特定の子に厳しくしてしまう」などの悩みも聞かれます。親はどんな心構えできょうだいに向き合うと良いのでしょうか。

    札幌市手稲区の30代女性は、小2の長女と2歳の次女の姉妹を子育て中。長女は大人びたことを言って反抗する一方、時々とても甘えることもあります。下の子の世話や家事で忙しいと、長女に向き合うのが「面倒に思えてしまう時がある」と打ち明けます。

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    お茶の水女子大の菅原ますみ教授(発達心理学)は「親は上の子に対して、(下の子の)『養育者チーム』の一員としての役割を期待し、下の子には『いつまでもかわいらしい存在でいる』役割を期待する傾向がある」と指摘します。

    上の子がしっかりした面を見せると、そのまま早く成長することを期待しますが、上の子も、何歳になっても甘えたい時があるもの。「時々は“兄”や“姉”の役割を外して、1人の子としてみてあげてください」と話します。

    下の子には甘くし過ぎず、あいさつやルールの順守など、年齢相当のことを身に付けられるよう心がけると良いといいます。

    菅原ますみ教授
    菅原ますみ教授

    きょうだいを育てる親は、どんなことに配慮しているのでしょうか。博報堂こそだて家族研究所(東京)が昨年まとめた調査では「公平に物を与える」(58.6%)、「それぞれの希望や主張を尊重する」(51.7%)、「トラブルには公平な立場で介入する」(45.4%)などが挙がりました。

    きょうだいに公平に接する姿勢は、親子の信頼関係を築く上で大切です。ケンカに介入する際は「上の子なんだから、我慢しなさい」ではなく、双方から話を聞きます。下の子がまだ話せないなら、「○○ちゃん(下の子)がまだ我慢できなくて、ごめんね」と上の子に謝るなどします。

    きょうだい同士の暴力や暴言への対応は、「暴力のない家庭を目指して、やはりすぐに介入してほしい」と菅原教授。「いったん落ち着こう」「飲み物でも飲もうか」とクールダウンさせ、平和的に解決する方法を一緒に考えていくと、「社会で役立つ力が身に付く」と言います。

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    きょうだいには、仲良く過ごし、かばいあう「ポジティブな面」と、物や親を取り合う「ネガティブな面」の両方があります。約2千人の子どもを長期的に追跡した英国の研究では、ポジティブな側面が強いほど将来的に社会性が伸び、ネガティブな側面が強いと、問題行動が増えることが明らかになりました。

    また、ポジティブな面に与える影響力は上の子の方が大きいことも判明したといいます。「きょうだい関係を大事にしていくと、子どもの育ちに良い影響があります」と菅原教授。

    とはいえ、きょうだい一人一人と丁寧に向き合うのは、時間的・体力的に難しい場合が多いです。菅原教授はそれでも、子どもと親が一対一で過ごす時間を意識的に作るよう勧めています。家族そろって行動するのも良いですが、時には「今日はパパとお兄ちゃんチームで買い物だよ」など、グループ分けするのも一つの方法といいます。「一人一人が“主人公”になり、ゆっくり話を聞いてもらう機会があると、子どもの心は満たされる。上の子はそれによって、機嫌良く下の子のお世話をすることもあります」と助言しています。

    取材・文/酒谷信子(北海道新聞記者)

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