連載【0カ月からの育児塾】

赤ちゃんは遊んで成長! 赤ちゃんの発達に「遊び」が大切な理由とは?

写真はイメージ(プラナ / PIXTA)

今回のテーマは、赤ちゃんと遊びについてです。遊びが持つ意味や月齢に合わせた遊び方、コツについて、北海道助産師会会長の高室典子さん(札幌)に聞きました。

脳への刺激が心の発達促す 親も一緒に楽しんで

赤ちゃんは体を動かすことで体や脳が刺激され、心の発達が促されます。親子の絆も深まるなど、遊びには大きな意味があります。高室さんは「とにかくいっぱい語りかけて、遊んで、触れることで赤ちゃんは喜びます」と呼びかけます。

赤ちゃんの生活リズムは睡眠、食事、排せつ、運動(遊び)のバランスが大切。運動が足りないと睡眠にも影響します。4カ月ごろまでは夜なかなか寝てくれないと悩む親は多いですが、その原因として「昼間の遊びが足りない場合がある」と高室さんは話します。

赤ちゃんは生まれる前、お母さんのおなかの中でずっと羊水に包まれています。羊水から出てきてすぐは、不安でいっぱい。でも、たくさん触れられることで安心感を得ます。触れたり遊んだりするのは、寝て起きて、おっぱいやミルクを飲んだ後がお勧め。黙って周りを見たり、「ウグウグ」などと声を出したりしている時が良いタイミングです。

遊ぶ時は、親も一緒に楽しみましょう。「この後ご飯を作らなきゃ」などと考えていると、赤ちゃんに伝わってしまいます。「家事はいったん忘れて、遊びを義務だと気負わずに楽しんで」と高室さん。目を見て笑顔で話しかけると、赤ちゃんも笑顔になります。

赤ちゃんとの遊び方

0カ月からできる遊びはたくさんあります。例えばオムツ替えの時に脚をさするようにして触れたり、曲げ伸ばしを繰り返したりしてみましょう。手や目元を触って「手だよ」「おめめだよ」と語りかけても喜びます。

1カ月ごろになったら、腹ばい遊びをしてみましょう。まず、赤ちゃんの脚を軽く交差させて寝返りの手伝いをします。うつぶせになったら、両脇の下に丸めたバスタオルを差し込み、腕が前に来るようにします。軽くお尻の辺りを押さえると、顔が上がって息苦しくなりません。

体勢を整えてから、でんでん太鼓やビニール袋など音の出るおもちゃを顔のそばでゆっくり左右に動かしてみましょう。1日5~6回、1回5~10分がお勧めです。このころから昼間は上下別の服を着せると、体を動かしやすくなります。

2カ月ごろになったら、床に座った大人が太ももの上に赤ちゃんを縦に寝かせ、膝を立てながら、赤ちゃんの両手を持ってゆっくり引き起こしてみましょう。この動きに慣れた後は、立てた膝を交互にずらして赤ちゃんの体を軽く揺らすようにすると、バランス感覚が養われます。

3カ月ごろにお勧めなのが、抱っこしてブランコのようにゆらゆらさせる遊びです。赤ちゃんの股の部分を後ろから両手で支えるようにして立ち、体から離れないように注意しながら左右に軽く揺らします。視界がいつもと変わると、赤ちゃんはワクワクします。

高室さんは「月齢に合った遊びを取り入れることで、転びそうになったらとっさに手が出せるようになるなど、運動機能の発達につながります」と話します。

取材・⽂/尾張めぐみ(北海道新聞記者)

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