• 最終回|<おてて絵本>親子で作る 世界で一つだけの本


    「絵本はママを育ててくれる」
    札幌で朗読活動を行う谷岡碧さんが、在京テレビ局記者を辞めて移住したタイでの子育てと、日々を支えた絵本についてつづります。


    「いま一番好きな絵本は?」と聞くと「おてて絵本!」と答える息子。両てのひらを本に見立て、自由に物語を作る親子遊びです。

    チェンマイにいた頃、バーベキューをしていたらソーセージが勢いよくパン! とはじけ、そこから物語を作ったのが最初でした。ソーセージは空を飛び、雲と追いかけっこ、太陽とにらめっこ、最後は息子の口に落ちて食べられちゃう。思いつくままに話して、家族でワハハと笑いました。

    (撮影・松井聡美さん チェンマイ在住、札幌市出身)


    なかなか眠れなかった、今年1月の寒い夜。暗い中で布団にくるまって、おでこをコツンとくっつけて、1行ずつお話を作りました。「『思い出のじぷた』にしよう」。息子がタイトルを考えました。

    主人公は、冬休みの旅行中に見かけた、壊れたジープです。けが人や家を建てる材料を運び、新車のように大活躍しますが、最後には壊れてしまいます。そこに息子が現れてこう約束します。「僕が必ず直してあげるからね」

    めちゃくちゃなストーリーになることもあるけれど、どこにも売っていない、わが家の1冊。今まで読んだたくさんの絵本が伝えてくれたこと、私たちの感じたことや一緒に過ごした時間も混ざり合い、つづられています。=おわり=


    トップ写真説明/わが家だけの物語は、子どもたちの成長とともに増えていくでしょう。これからどんなお話が生まれるでしょうか=3月(谷岡碧さん提供)

    「おてて絵本」

    1990年代、新潟市に住む絵本作家が子どもとの遊びとして始めました。眠くてうまくお話を作れない時には、親子で1行ずつ交代しても。子どもが思いつくあり得ない展開に笑ったり、自分が大事に思っていることをいつの間にか話に込めていたりします。できばえより、過程を楽しむ遊びです。夢中になりすぎて眠気が飛んじゃうこともあるので、ご注意くださいね。

    (2019年3月8日付 北海道新聞「週刊じぶん」掲載)

     PROFILE

    谷岡 碧(たにおか・みどり)
    2007年にテレビ東京へ入社、記者として秋葉原連続殺傷事件や東日本大震災の被災地を取材。12年に退社、チェンマイへ移住しNGOスタッフとして勤務。その後退職し17年に札幌へ帰郷、幼なじみのピアニストとユニット「enets」(エネッツ)を立ち上げ、絵本の読み聞かせとピアノ演奏によるコンサートを続けている。長男(4)と18年4月生まれの長女を育てる母として奮闘中。札幌市出身。
    enets公式サイト

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