連載コラム「瀬川院⻑のすくすくカルテ」第27回

コロナワクチン接種 子どもも必要? 重度の副反応リスク低く

Q.質問

長男が14歳です。新型コロナウイルスのワクチンは打った方が良いのでしょうか。子どもはコロナにかかっても軽いと聞いています。ワクチンは副反応が心配です。

A.回答

6月からファイザー社のコロナワクチンが12~15歳にも接種できるようになりました。外来でお母さんたちに、子どもにワクチンを打つ意味があるのか、副反応は大丈夫か―とよく聞かれます。

日本の20歳未満のコロナ感染者の半数弱は無症状で、9割は無治療で回復。死亡例はありません。しかし海外では、神経疾患、慢性呼吸器疾患や免疫不全症の子どもの感染例で、重症化が報告されています。基礎疾患のある子へのワクチン接種は意義があります。

健康な子へのワクチン接種の拡大は、本人への感染や重症化を防ぐだけでなく、コロナ予防のために日常生活や学校生活で続くさまざまな制約が軽減できる可能性があります。

日本でも、まれではありますが子どもの感染者に、下痢や発熱、発疹などを伴う小児多系統炎症症候群が確認されています。より感染力が強いとされるデルタ株(インドで確認された変異株)の流行で、子どもの感染が増加する可能性も指摘されています。

12歳未満のワクチン接種は、現在治験が進行中で、今はできません。

ワクチンの有効率は、治験では100%です。一方で、12~15歳の2回目の接種後の副反応出現率は、16歳以上と比べ高いとされ、主な副反応は接種した部位の痛みや倦怠(けんたい)感、頭痛や発熱などです。ただし、重度の副反応が出るリスクは低いとされています。

ワクチンにはメリットとデメリットがあります。かかりつけ医からしっかりと説明を受け、納得した上で判断することが大切です。

(瀬川雅史=のえる小児科院長)

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