• 首が急に傾いた 頸椎にトラブルの可能性

    瀬川院長のすくすくカルテ #25
    のえる小児科(札幌市豊平区)の瀬川雅史院長が、日常診療の場でママ達から受けるさまざまな質問に答えます。

    Q.質問
    保育園に向かう途中、5歳の長男の首が急に左に傾きだしました。痛みはそれほど強くないのでその日は様子を見ました。翌朝、首の傾きは少しなくなりましたが、しばらくするとまた左に傾きました。前日の朝、居間の跳躍器具で数回軽く跳び跳ねましたが、転んだり首をぶつけたりはしていません。


    A.回答
    子どもの首が、急に傾いた状態になったら疑った方がいいのが「環軸関節回旋位固定(かんじくかんせつかいせんいこてい)」です。頭蓋骨に一番近い骨である「第1頸椎(けいつい)」が、2番目に近い骨「第2頚椎」に対し回旋した状態になったまま戻らなくなる病気です。子どもは、第1頸椎を乗せる第2頚椎の上の部分が未発達で、傾斜が強く丸みを帯びています。そのため第1頸椎が不安定で、二つの骨を支える関節部分が弱いこと、関節を包んでいる組織が緩いことなどが要因です。

    この病気は、日常動作による軽い外傷や、スポーツなどによる外傷の他、へんとう炎やおたふくかぜ、首のリンパ節炎など喉周辺の炎症をきっかけに起きることがあります。特にきっかけがなく発症する場合もあります。

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    症状は、首が一方に傾き、顔はその反対方向に向けた状態のまま首が動かなくなり、痛みを伴います。診断の確定には、頸椎のコンピューター断層撮影装置(CT)検査が有効です。

    症状が軽いと2~3日で自然に治ることもあります。初期治療は、首を支えるベルト「頸椎カラー」で固定します。カラーを着けて1週間以上たっても症状が改善しなければ、入院し頸椎のけん引治療を行います。ほとんどはけん引療法で治りますが、治らない場合は別の治療を行います。

    この病気は、早期発見と早期治療が大切です。数週間放置されると、関節が回旋したまま固まってしまうことがあり、治療が非常に難しくなります。なお相談のお子さんは整形外科を紹介して受診、1週間ほどの治療で完治しました。

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