おたふくかぜ予防注射の副作用は リスクはとても小さい
「瀬川院長の子育てカルテ」
のえる小児科(札幌市豊平区)の瀬川雅史院長が、日常診療の場でママ達から受ける様々な質問に答えます。◎ 質問
おたふくかぜで難聴になることを最近知ったのですが、おたふくかぜの予防注射に副作用の心配はないのでしょうか。◎ 回答
日本はおたふくかぜによる難聴(ムンプス難聴)がとても多いことがわかっています。耳鼻咽喉科学会の調査で、2015、16年の2年間だけで348人のムンプス難聴の発生が確認されています。多くは片耳ですが、5%は両耳で90%は高度の難聴です。発症は学童が最多で、次に多いのが20歳代後半から30歳代の子育て世代です。これはおたくふかぜが子どもからうつり、親が難聴になったと考えられています。大人もムンプス難聴になるのです。おたふくかぜの予防はワクチンしかありません。しかし、日本では任意接種のため接種率が30~40%と低く、流行を抑えることができません。おたくふくかぜのワクチンが任意接種なのは、1989年に定期接種化された麻疹・風疹・おたふくかぜワクチン(MMR)で無菌性髄膜炎が多発し、その原因がおたふくかぜワクチンであるとされ、93年にMMRが中止された経緯があるからです。
今はその時のおたふくかぜワクチンは使われていません。おたふくかぜワクチンによる髄膜炎の発生率は0.01~0.05%とされていますが、最近は0.004%に下がっているとも言われます。これは髄膜炎の併発が起きにくい3歳未満でのワクチン接種が進んだためとされます。自然におたふくかぜになった場合、髄膜炎は1.10%の割合で発生し、難聴は300~千人に1人の割合で発生します。おたふくかぜのワクチンのリスクはとても小さく、メリットはとても大きいと言えます。ムンプス難聴は、ワクチンで予防できるということをぜひ知っていただきたいと思います。
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