連載コラム「瀬川院⻑のすくすくカルテ」第19回

食べ物による窒息を防ぐには 一口の量少なめに、よくかんで

Q.質問

9月に幼児がブドウをのどに詰まらせて亡くなる事故がありました。家庭で、食べ物による子どもの窒息を防ぐには、どんなことに気をつけるべきでしょうか。

A.回答

消費者庁によると、2010~14年に発生した14歳以下の子どもの窒息死事故623件のうち、食品による窒息は107件(17%)で、そのうち87件は6歳以下でした。乳幼児は食べ物による窒息が起きやすいのです。

理由の一つは、乳幼児はかんだり飲み込んだりする力が弱いからです。乳歯が完成し、すりつぶすことができるようになるのは3歳ごろ。この年齢以前は、硬いものはよくかめず丸のみしてしまうことがあり、窒息につながります。食べ物の硬さを年齢にきちんと合わせ、丸のみしそうなものは与えないことが大切です。

次に注意すべきは食べる時の行動です。走り回って食べたり、食べ物をいくつも口に入れたりすると窒息につながります。食べる時は動き回らないようにし、一口の量を多くせず、よくかんで食べさせましょう。

窒息を起こしやすい食品を与えないことも重要です。ブドウやプチトマト、あめ、白玉団子のように丸くつるっとしたものは気管に入りやすいので要注意です。ブドウなどは四つにカットし小さくしましょう。あめ、ピーナツなどは3歳以下に与えてはいけません。

パン類や餅など粘着性が強く飲み込みにくいものは一口の量を守り、水分をよくとりながらよくかんで食べることが大切です。肉類など硬くかみ切りにくい食べ物も丸のみしないよう小さく切り、一口ずつ食べさせることが大事です。

(瀬川雅史=のえる小児科院長)

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