• 後頭部が変形し右ばかり向く 予防大事、うつぶせ練習を

    瀬川院⻑のすくすくカルテ #38
    北海道新聞朝刊「⼦育て⾯」で毎⽉第2⾦曜⽇に連載中のコラム。のえる⼩児科(札幌市豊平区)の瀬川雅史院⻑が、⽇常診療の場でママ達から受ける様々な質問に答えます。

    Q.質問
    3カ月の長男の後頭部が変形しているため、あおむけにすると右側ばかりを向いてしまいます。このまま何の対応をしないでも頭の形が治るのかとても心配です。


    A.回答
    1~3カ月の赤ちゃんは1日に15時間ほど眠ります。生まれつきの向き癖があると、長時間同じ方向へ頭の骨が圧迫され、頭の形がだんだんとゆがんでいきます。これは「位置的頭蓋(ずがい)変形」といわれ、日本では自然に治るということで問題視されませんでした。しかし、1990年代の米国で、乳幼児突然死症候群の予防のためあおむけ寝が強力に推進された結果、位置的頭蓋変形の発生数が一挙に5倍も増えました。これが大問題となり、予防・治療などの研究が進みました。

    ある報告では、頭の変形は0~1カ月児の17%に認められ、ピークは生後4カ月で21%、2歳で3.3%にまで減っています。頭の変形は首が座ると改善していきますが、ごく一部で治らない場合があります。重度の頭の変形の長期的影響として、外見上の問題以外に、耳の位置がずれて眼鏡がかけにくい、歯列への影響、肩こり・頭痛の発生などが示されています。

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    赤ちゃんの頭の変形で一番大事なのは予防です。ある研究では新生児の8.2%に向き癖があるとされ、向き癖に気づいた場合は、赤ちゃんの頭を長時間同じ方向に向けないようにすることが大事です。さらに起きているときは、「タミータイム」といううつぶせ練習を行います。タミーとは英語でおなかという意味。具体的には、うつぶせ姿勢を1日3~5分、1日2~3回から始めて徐々に延長し、1日30~60分行うようにします。これは軽症の頭の変形の治療にも有効です。

    重度の場合、ヘルメット療法という特殊な治療があり、限られた専門施設で行われています。頭の形が心配な場合はまずはかかりつけ医師にご相談ください。

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