連載コラム「瀬川院⻑の子育てカルテ」

手のひらと足の裏が真っ赤に 集団生活には支障なし

Q.質問

保育園に通う2歳の女児です。3~4日前から急に手のひらと足の裏が真っ赤になり、眠くなるとかゆがります。他のところに発疹はなく、熱もありません。食欲も元気もありますが、人にうつる病気だったら心配です。

A.回答

お子さんの病気はいわゆる「砂かぶれ様皮膚炎」と思われます。といっても本当に砂でかぶれてしまったわけではありません。あたかも砂遊びをして手足が砂でかぶれてしまったように赤くなるということです。正式には「小児掌蹠丘疹性紅斑性(しょうせききゅうしんせいこうはんせい)皮膚炎」という病名があるのですが、「砂かぶれ様皮膚炎」の方がわかりやすいのでつい使ってしまうのです。

砂かぶれ様皮膚炎は1歳台の発症が最も多く、4歳以下が約9割を占めます。一年を通じて発症しますが、春から初夏にかけてが特に多く、5~6月ごろがピークとされます。

症状は、最初は手のひらと足の裏に赤い細かなブツブツができ、それがだんだんとつながって、手のひらと足の裏の全部が真っ赤に腫れたようになります。腫れは少しずつ引き、やがて皮がむけて治りますが、治るまで2~4週間とかなり長くかかります。顔などにも発疹がでることがあります。熱はないことが多く、出ても微熱です。

1度かかると再発することがないことなどから、何らかのウイルス感染が原因と考えられています。しかし、発疹が人に直接うつることはないので、保育園などの集団生活には支障ありません。

治療は、かゆみが強い場合や、皮がむけてカサカサしてきた時に軟こうを塗ったりします。自然に必ず治る病気なので、少し気長に付き合ってみてください。

(瀬川雅史=のえる小児科院長)

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