誰でも好きなお菓子を 素材厳選 アレルギー対応

駒ケ岳を望む工房で作った蒸しケーキなどを手に「おやつを通じて自然の豊かさも知ってほしい」と語る大藤さん
自然とつながるおやつaimer(エメ)代表 大藤杏紗さん(35)
駒ケ岳の麓、七飯町東大沼の一角に小さな工房がある。「自然とつながるおやつaimer(エメ)」。アレルギー対応のお菓子づくりを専門に手掛け、「誰もが安心安全に食べられる『ユニバーサルデザイン』のお菓子を目指しています」。
札幌市出身。小樽商科大卒業後、札幌のコンサル会社に勤め、長男(6)を出産した翌年の2016年に東大沼に移り住んだ。
長男には生まれつき、卵、乳、小麦、ナッツなどの多くのアレルギーがあった。市販の食品はほぼ食べられず、母乳にも気を使い、母子ともに食事を制限された。
食生活を見直す中で、アレルギーを引き起こさない野菜や雑穀などで料理をするようになった。「同じ悩みを抱える人は他にもいるはず。みんなが一緒に食べられるおやつを作りたい」。次男(2)を妊娠中に準備を進め、18年4月、エメを設立した。
アレルギー源になり得る「特定原材料7品目」のほか、着色料や保存料も使わず、植物性の原料だけで作る。七飯産のリンゴや大沼で採れたメープルシロップなど、身近な素材と季節の食材をふんだんに使った商品をそろえた。
野菜の天然色素を生かした色鮮やかなボーロ、無農薬玄米やアレルギー発症率が低いとされる古代種小麦「スペルト小麦」をいったグラノーラ、米粉ベースの蒸しケーキ。体に優しいエメのお菓子は、アレルギーがある人だけでなく、ビーガン(完全菜食主義者)や健康志向の女性、高齢者などからも好評だ。
「材料が限られていても、味も見た目も遜色ないお菓子にしたい。アレルギーがある子にも、数あるお菓子の中から好きなものを選べる幸せを感じてほしい」と願う。aimerはフランス語で「愛する」の意味。「おやつを通じて、『おいしい』の先にある真の豊かさを知ってほしい」。人と自然への愛情を惜しまず、レシピを考案し続ける。
店舗は構えず、エメのホームページ(https://aimer.bio)で通信販売するほか、道の駅「なないろ・ななえ」などで一部商品を販売。七飯や函館などでの移動販売やイベント出店も。出店日はフェイスブックやインスタグラムで知らせる。問い合わせは大藤さん(電)090・2056・3206かホームページの専用フォームへ。(加藤遥花)
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